図面がない設備部品を現物から製作|採寸・CAD化・最適な加工方法で生産ラインの停止を最小限に
工場で長年使用している設備の部品が突然破損した。
「メーカーに問い合わせても古い設備なので部品がない」
「社内を探しても図面やCADデータが残っていない」
「手元にあるのは、壊れた部品の現物だけ」
「生産ラインを長期間止めることはできない」
このような状況で、どこに相談すればよいのか分からず、お困りではないでしょうか。
ダイマル鈑金では、図面が残っていない設備部品でも、現物の採寸からCAD化、加工方法の検討、部品製作まで一連の工程を考えて対応しています。
今回は、食品製造ラインで使用されていた設備部品について、実際に行った対応をご紹介します。
目次
- 図面がない古い設備部品の製作依頼
- 現物しかない部品をどのように図面化するのか
- 鋳物部品を切削加工へ変更
- 現物を完全コピーするだけではない加工方法の提案
- 短い設備停止期間に対応するための段取り
- 図面がない設備部品でお困りの方へ
図面がない古い設備部品の製作依頼
今回ご相談いただいたのは、食品製造ラインで使用されていた設備部品です。
設置から数十年が経過した設備の部品が破損し、生産ラインが停止してしまいました。
応急処置として溶接で接合することで一時的にラインを再稼働されていましたが、同じ箇所が再び破損する可能性があるため、応急処置ではなく新しい部品を製作して交換したいというご相談でした。
しかし、ここで大きな問題がありました。
設備が古いため、当時の図面やCADデータが残っていません。
つまり、製作に必要な図面がなく、手元にあるのは現在使用されている部品の現物だけという状況でした。
さらに、生産計画の都合から設備を停止できるのは約3日間。そのうち現物を確認できる期間も限られていました。
このような場合、単に「現物を測る」だけではなく、限られた時間の中で必要な情報を確実に取得し、製作につなげることが重要になります。
現物しかない部品をどのように図面化するのか
今回、まず行ったのが現物の採寸とCAD化です。
現品をお預かりできるのは1日だけだったため、事前に入荷日を確認し、作業時間を確保しました。
ここで重要なのが、採寸して終わりにしないことです。
現物を採寸した後、すぐにCAD化して図面を作成できる状態にすることで、後から「ここを測り忘れていた」という事態を防ぎます。
さらに、作成したCAD図面を1分の1(原寸大)でプリントアウトし、現物と重ね合わせて形状を確認しました。
これにより、採寸した寸法だけでは気付きにくい大きな形状の違いも確認することができます。
「図面がない」という状況でも、現物を基準にして製作に必要な情報を整理していくことが、部品再製作の第一歩になります。
鋳物部品をそのまま鋳造するのではなく、切削加工へ
今回の現品は鉄鋳物で製作されていました。
しかし、今回必要なのは1個の部品です。
そこで、元の製法である鋳造ではなく、SS400材を切削加工する方法を提案しました。
これは、単純に「元と同じ材料・製法で作る」という考え方ではありません。
部品の数量や形状、製作方法などを考慮し、今回の製作条件に適した方法を検討しています。
図面がない部品を再製作する場合、「現物と同じものを作る」ことだけを考えるのではなく、現在の製作条件に合わせて、どのような材料・加工方法が適しているのかを考えることも重要です。
現物を完全コピーするだけではない加工方法の提案
現物をそのまま忠実に再現しようとすると、加工に手間がかかり、製作コストが上がってしまう部分もあります。
そこで今回は、加工に手間がかかる箇所について、お客様と相談しながら、使用上問題のない部分は形状を簡略化しました。
また、元の部品が鋳物だったため、鋳造によって生じたラフな部分と、最終的に仕上げられている面を確認し、それぞれどの程度の仕上げが必要なのかを打ち合わせました。
つまり、単に「現物をコピーする」のではなく、
どこまで再現する必要があるのか
どこは簡略化できるのか
どの部分に仕上げが必要なのか
を確認しながら、製作方法を決めています。
これにより、必要な機能や形状を確保しながら、製作コストにも配慮した部品製作につなげました。
現場を直接確認できなくても、写真と聞き取りから設計
今回の設備は遠方の工場に設置されていたため、実際の使用環境を直接確認することができませんでした。
そこで、お客様から設備の写真を提供していただき、使用状況について聞き取りを行いながら設計を進めました。
図面がないだけでなく、実際の設備を確認できないという条件でも、お客様から得られる情報を整理し、製作に必要な情報を補いながら設計することが必要になります。
「図面がない」ことを理由に諦める前に
今回のように、
- 古い設備で図面が残っていない
- メーカーから補修部品が入手できない
- 現物しか手元にない
- できるだけ早く部品を交換したい
- 生産ラインを長期間止められない
- 同じ部品が再び壊れることが心配
- 1個だけ部品を製作したい
という状況では、一般的な部品発注とは違った対応が必要になります。
ダイマル鈑金では、現物の採寸からCAD化、加工方法の提案、製作方法そのものを考えるところから対応しています。
今回も、最終的に製作した部品は無事に設備へ設置することができ、お客様から「うまく設置できました。助かりました」とのお声をいただきました。
図面のない設備部品・補修部品でお困りなら
設備を長年使用していると、図面やCADデータが失われていたり、メーカーから部品が供給されなくなったりすることがあります。
そんなとき、「図面がないから製作できない」とすぐに諦める必要はありません。
現物が残っていれば、その形状や使用状況を確認し、製作方法を検討できる場合があります。
ダイマル鈑金では、今回のような設備部品の製作をはじめ、摩耗した部品の交換や設備の改善についてもご相談をいただいています。
「図面はないけれど、この部品を作りたい」
「古い設備なのでメーカーから部品が出ない」
「現物をもとに新しい部品を作れないか」
このようなお困りごとがありましたら、まずはご相談ください。
現物や写真、分かる範囲の情報をもとに、製作方法から一緒に検討します。
CONTACT